- EXHIBITION - 2018.08.03(fri) - 2018.08.12(sun) 11:00-20:00 ※土日祝のみ営業・平日アポイント制 【Finished / 終了】
KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION “street cred” by QUIET NOISE
left[POST出展予定作品]:untitled(scenery) 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper mounted on wood frame 403mmx352mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved.
right[QUIET NOISE出展予定作品]:untitled(man) 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper 140mmx120mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved.
「時間と記憶」をテーマに制作を続けている市川が、今回記憶の断片として紙上に表出したのは、 自身が見たSNSのロード中の画像でした。
ロード中のぼやけた画面の中には、「自身の記憶と他者の記憶の重なり」を感じると言います。
SNSのイメージがスクリーンに立ち現れる前のほんの一瞬、 そしてその「記憶と時間のズレ」から生まれた自身の感情の揺らぎは、
どこか儚く、色っぽく、美しい。
今回、市川の作品に魅せられた2つのギャラリーが彼の作品を各々の空間に展示いたします。
POSTでは15点を、QUIET NOISEでは100点を超える小作品を展開します。
それぞれのディレクションを通して、市川孝典の最新作を是非ご高覧ください。
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曖昧で不鮮明なイメージが鮮明に描かれているこのシリーズを初めて見た瞬間、懐かしいわけがないは ずなのになぜか若干の懐かしさを感じ、
そして同時に潜在的にあったのかもしれない遠い記憶や、想像が 生み出した無いはずの記憶が頭を一瞬よぎり、その作品の美しさと怖さに涙を流した。
あの体験はなんだったのだろうと今でも思う。
水性インクをメインにパステル、アクリル絵具、淡彩などで描き、そこから更にヤスリで削りまた描きを繰 り返す本シリーズは、
他人の記憶から自分の記憶、そしてそれがまた他者の記憶へとすり替えられていく という記憶と時間のズレを表現しており、
鑑賞者の想像力を働かせ、見る人それぞれが様々な感情を生み 出す作品であると私は思い、再びこのシリーズの作品たちと対峙できることにとても興奮している。
QUIET NOISEディレクター 井上竜介
【展覧会情報】
KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION “street cred” by QUIET NOISE
■会期:2018年8月3日(金)-8月12日(日)11:00-20:00 ※土日祝のみ営業・平日アポイント制
■会場:QUIET NOISE arts and break
【同時開催】
KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION “Hello, stranger!” by POST
■会期:2018年7月27日(金)-8月19日(日)12:00-20:00 ※月曜定休
※2018/7/19(木)更新:DM記載内容に誤りがございました。正しくは上記のとおり20:00までの営業です。訂正してお詫び申し上げます。
■会場:POST
http://post-books.info/
■オープニングレセプション:2018年7月27日(金)19:00-21:00
■トークイベント:2018年8月3日(金)19:00-20:30
登壇者:市川孝典×小瀬村晶(Akira Kosemura)×中島佑介(POST)
詳細はPOSTホームページにてご確認ください。
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せっかちな性分ゆえに、SNS上で画像がアップロードされるまでのあのわずかな時間さえもじれったく感じてしまう。
「早く見たい、知りたい」と好奇心が募り、気持ちがはやる。
時が止まったかのように思わせる、あの長い永い待ちのひとときに慣れることなどないのだろう。
そう決め込んでいたわたしに、市川の作品は新しい風をもたらしてくれた。
ロード中のぼやけた他者の記憶は、自らの記憶をたどる時空を超えた旅へと誘ってくれる。
記憶のなかだけでは、知るよしもない他者と自己とが混じり合うことができるのだ。
そう捉えてみると、あの一瞬のもどかしさがドラマチックな邂逅の一幕に変わる。
彼のちょっぴり切なさを感じさせるこの作品は、生き急ぐうちに見落としてきた大切なことをそうっと教えてくれる。
POSTストアマネージャー 錦 多希子
市川孝典 / KOSUKE ICHIKAWA
日本生まれ。美術家。
13歳の時に、鳶職で貯めたお金をもって、あてもなく単独でニューヨークへ渡る。 アメリカやヨーロッパ各地を遍歴する間に、絵画に出会い、後、さまざまな表現方法を用いて、独学で作品 制作に取り組む。 帰国後、その類いまれなる体験をした少年期のうすれゆく記憶をもとに、線香の微かな火を使って絵を仕 立てる新しいスタイルで発表した作品は、「現代絵画をまったく異なる方向に大きく旋回させた〈線香画〉 と称され、メディアに大きく取り上げられるなど、国内外で熱い視線を浴びている。
(写真:鬼海弘雄)