ふと覚えがある匂いが身体に入った時
誰の匂いだっけ、と立ち止まることが良くある
通りすがりに入ったその匂いだけで 夕立のように記憶が降り注ぐ
答え合わせができた時、驚くほどに安心する
この記憶の答え合わせは、写真を見返すの時と同じ感覚で
なんだかいつも目がくらみそうになる
もうくせだと思うけれど
いつもいつも目先の不安ばかり気にしてしまい
今ここにあるものを大切にできない時がある
写真を撮ると少しだけ不安が消える気がしている
石田真澄
1998年生まれ。
2017年5月自身初の個展「GINGER ALE」を開催。
2018年2月、初作品集「light years -光年-」をTISSUE PAPERSより刊行。雑誌や広告などでも活躍の幅を広げる。